平成狸合戦ぽんぽこ「死出の旅」とは?禿げ狸が宝船に乗った意味と理由も考察
映画「平成狸合戦ぽんぽこ」を調べてみると「死出の旅」というキーワードが出てきますが、「死出の旅」とは一体何なのでしょうか。
また、このシーンでは船に乗る多くの狸が描写されていますが、禿げ狸が宝船に乗った意味と理由も合わせて考察します。
印象的なシーンだね!
ここで分かることは以下の通り。
- 「平成狸合戦ぽんぽこ」の「死出の旅」とは何なのか
- 禿げ狸が宝船に乗った意味と理由を考察!
このシーンには深くも悲しい意味がありましたので、気になる方は最後までご覧ください。
Contents
【平成狸合戦ぽんぽこ】「死出の旅」とは何?
有名な「平成狸合戦ぽんぽこ/高畑勲」EDと「耳をすませば/宮崎駿」OPだけど、多摩ニュータウンが作られたばかりの前者と鉄道・高速道路・高層ビルが増えて空が明るくなった後者でしっかり景色変えてて、ダメ押しにかつて狸たちが死出の旅へ向かった橋をわざとこの綺麗さで描いちゃう宮さんすごい好き。 pic.twitter.com/VuivtmdBPL
— 風馬(かずま) (@hagiyakazuma) July 29, 2020
「平成狸合戦ぽんぽこ」の終盤に、宝船に狸たちがたくさん乗っているシーンがありますね。
あれは、人に化けることのできない狸たちの死を描写しているのです。
狸たちは何だかワイワイ楽しそうにしていたけどな…。
「死出の旅」とは、人間と共存できないと悟った並の狸たちがもはやこれまでと死を選んだことを表しており、楽しい気分になれるシーンではありません。
また映画内のナレーションでも「死出の旅」とはっきり語られており、船に乗った狸たちが亡くなってしまうことが明言されているのです。
「死出の旅」とは並の狸たちの死を表している!
『平成狸合戦ぽんぽこ』
— 西山智則 (@AEvDyCJ28vrd8i7) April 5, 2024
多摩ニュータウン開発で追われる狸たち。高畑勲や宮崎駿の東映動画時代の労働運動の反映。『千と千尋』のナンバーも「多摩」で「魔が多い」と開発を示唆
狸が闘争に破れ宝船に乗って死出の旅にゆく姿に涙する。94年公開から30年、欲望の影に覆われ沈みゆく泥船日本が重なる pic.twitter.com/9gXzFlPo9F
「死出の旅」とは黄泉の国へ行くことを意味するのですが、この映画内では並の狸たちの死を表しています。
「平成狸合戦ぽんぽこ」の映画の内容で、狸が人に化けるシーンがたくさんありますね。
多くの狸は上手に化けることができたけど、できなかった狸もいたね。
最終的に多くの狸たちは人間と共存することを選択するのですが、その狸の中には上手に化けることができない者がいました。
映画内のこの表現に、どのような意味があるのかわからない人が多くいましたが、宝船に乗っているのは人間と生きることを諦め死を選んだ狸たちだったんですね。
映画の見かたが変わるね。
私も何度か映画は見たことがあるのですが、ただの楽しそうなシーンだとばかり思っていたので驚きです。
ナレーションで「死出の旅」と明言されている?!
【平成狸合戦ぽんぽこ】'94
— スルメ大王 (@comkomj9) October 3, 2023
金玉袋で作った宝舟で冥土へ向かう(死出の旅)変化できない並の狸たち
「宝の舟は死出の旅、ドンチャンドンチャン死出の旅、並の狸は死での旅、生きて帰れぬ死出の旅…」
※悲しいナレーションですが、やはり狸は飲んで歌って踊ってる姿が良いですね😭#ジブリ #セル画 pic.twitter.com/YN5rA0i5zl
映画内の宝船のシーンでは、印象的なナレーションが入ります。
ここのナレーションではっきりと「死出の旅」と語られているのをご存じですか。
「生きて帰れぬ死出の旅」と言われており、はっきりと狸たちの死を明言しているのです。
何となく映画を見ていたら聞き逃していたかも!
映像では狸たちが楽しそうに笑顔で踊ってはいますが、これから死に向かっていく狸たちだと考えると悲しい気持ちになりなりますね。
死を表していることとは真反対の描き方をされているので、ナレーションではっきりと表現されたのかもしれません。
機会があれば「平成狸合戦ぽんぽこ」を見直して、ナレーションにも耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
【平成狸合戦ぽんぽこ】禿げ狸が宝船に乗った意味と理由を考察!
【厭離穢土 欣求浄土】というと『平成狸合戦ぽんぽこ』の宝船のシーンを思い出す。
— 鹿苑寺 (@arinohifuki) January 16, 2023
人間による多摩の開発は止まらない、変化を使った抵抗も虚しく終わり、化けられない並の狸と屋島の禿狸が、もはやこれまでと、補陀落渡海さながら多摩川に入水?する悲劇的な場面なのだけど(続) pic.twitter.com/1JMm0QNSLt
「平成狸合戦ぽんぽこ」の「死出の旅」のシーンで、長老の禿げ狸も一緒に宝船に乗っていますね。
調査してみると禿げ狸が宝船に乗っていることには大きな意味があったので、詳しく考察していこうと思います!
禿げ狸は化けることができたのに何で一緒に船に乗っているんだろうね。
また禿げ狸が並の狸たちと一緒に宝船に乗ったのは、狸たちをかわいそうに思った禿げ狸が一緒に死ぬためなんだとか。
明るく描写されていますが、やはり悲しく辛い気持ちになるシーンなのです。
禿げ狸が宝船に乗った意味を考察!
「バイバイでさようなら」って、なんか『平成狸合戦ぽんぽこ』の宝船を思い出すんだよね。背景はまるで違うけどさ。 pic.twitter.com/UGLKx5Wfje
— しろー(SHIRO) (@showbow_ken) February 18, 2016
禿げ狸は「平成狸合戦ぽんぽこ」に登場する長老の一人で、狸たちに化けることを指導し人間と懸命に闘いますね。
妖怪大作戦だね!
禿げ狸が宝船に乗った意味として考えられるのは以下の通り。
- 自身の考えた作戦が失敗し責任を感じた
- 狸たちに極楽浄土へ行ってもらいたかった
人間たちが行う開発を止めるために狸たちは妖怪大作戦を決行しますが、これは失敗で終了。
この作戦を先導したのは禿げ狸でしたので、かなりの責任を感じていたと考えられます。
どの狸が悪いってことはないけど、長老として責任は感じていたのかな。
誰が悪かったというわけではないのですが、禿げ狸が罪を背負うために船に乗ったのではないでしょうか。
また禿げ狸は、作戦失敗後には並の狸たちと念仏を唱え続けていました。
宝船の元となったものにも「南無阿弥陀仏」と書かれており、狸たちを極楽へ行かせたいという思いがあると考えられますね。
禿げ狸の思いもこもった船なんだね。
このように禿げ狸自身が先頭に立ち、狸たちをいざなおうとしたのではないでしょうか。
禿げ狸が宝船に乗ったのは一緒に死ぬためだった?!
屋島の蓑山大明神でお参りしてから『平成狸合戦ぽんぽこ』が観たかったんだけどやっと観れた。あそこに祭られてる太三郎狸が長老の太三朗禿狸のモデルらしくて、それを知ってから観るとまた色々面白い。 pic.twitter.com/I01GhF0Oqa
— まゆ (@vBtL980kPDIC0lO) May 7, 2022
一世一代の作戦に失敗し、絶望していたのは大勢の狸たちだけではなかったのです。
禿げ狸自身も絶望し、やけになってしまい化けることのできない狸たちを集めて踊り念仏を唱えるくらいでした。
生きることを諦めていたのは禿げ狸も同じで、狸たちと死ぬために宝船に乗ったのですね。
人間と一緒に生きるなんてプライドが許さなかったんだね。
この禿げ狸の変わりように他の長老は「東京は怖い」と言っており、どれほど禿げ狸が失意のどん底にいたのかが理解できる気がしませんか。
死を選ばざるをえなかったかわいそうな狸たちだけでなく、自分も極楽浄土へ行けるように願いを込めた宝船。
このシーンは一見、楽しくにぎやかに見えますが狸たちだけでなく禿げ狸の覚悟や思いの詰まった悲しくも印象的な場面なのです。
まとめ
ゴルフ場のそばで狸さんズ発見。ゴルフ場+寄り添いあう狸=平成狸合戦ぽんぽこ=見る度に多摩ニュータウンの住人は狸さんに謝れ!って一瞬思っちゃう宝船のシーンで毎回涙腺ヤバくなるんだよ(´;ω;`)ブワッ…別にここ多摩じゃねーけど。 pic.twitter.com/QOCn09vj
— ひおり🤧 (@hiori__) January 22, 2013
今回は「平成狸合戦ぽんぽこ」の「死出の旅」とは一体何なのか、禿げ狸が宝船に乗った意味と理由を考察いたしました。
- 「平成狸合戦ぽんぽこ」の「死出の旅」とは何なのか
→人に化けることができない狸たちの死を表している - 禿げ狸が宝船に乗った意味と理由を考察!
→作戦に失敗し責任を感じており、自分も死ぬために宝船に乗った
一見、楽しそうな描写の裏には心をえぐるような悲しい物語が隠されていたんですね。
意味が分かってみると感じ方が違うよね。
私も楽しいだけの映画だと思っていましたが、次回以降見る時には涙が止まらないかもしれません。