風の谷のナウシカ

ナウシカの言い伝え「青き衣」の意味とは?杖を持つ人物も考察

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【風の谷のナウシカ】で登場した「青き衣」の伝説にはどんな意味が込められているのでしょうか。

鳥を肩に乗せ、杖を持った言い伝えの人物についてどんな考察があるのか気になりますよね。

この記事のポイント
  • ナウシカ「青き衣の伝説」とは?
  • 鳥や杖、言い伝えの人物について考察
  • 「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」の意味

言い伝えの青い人が世界を救ってくれるってこと?

実は単純に救世主という意味だけではなさそうですので、詳しくみていきましょう!

ナウシカの言い伝え「青き衣」の意味とは?

映画【風の谷のナウシカ】で大ババ様がナウシカに教えた古い言い伝えにこのようなセリフがあります。

「そのもの、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地へ導かん。」

このセリフの「青き衣」って誰のこと?

この言い伝えの人物はナウシカの存在を予言したものだったのです。

ただ、原作漫画では意味が少し違うことからもうひとつの意味についても深堀りしてみました!

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「青き衣」の人はナウシカのこと

映画のラストシーン、王蟲の青い血で染まった服で「金色の野」のように見える王蟲の触手の上を歩いていたナウシカ。

このシーンが言い伝えと似ているんだよね。

その様子を子どもたちから伝えられた大ババ様が、言い伝えは本当だったと涙しているシーンも。

ナウシカの深い慈愛と分け隔てない友愛の心が王蟲に通じた感動のラストでもあります。

まさにこの風景が宮崎駿監督が抱くナウシカの強烈なイメージだったのではないでしょうか。

ん?どういうことだろう?

ナウシカのモデルとなったのは、「ギリシャの叙事詩オデュッセイアに登場するバイアキアの王女」と「堤中納言物語の虫愛ずる姫」なのだそう。

違う作品の登場人物ですが、どちらも自然を愛するちょっと変わった姫君でした。

この2人の姫君のイメージが重なるナウシカを象徴する風景が、言い伝えの内容そのものなのではないでしょうか。

ちょっと宗教画っぽいよね。

実は、宮崎駿監督はこのラストシーンが宗教的だという理由で映画版【風の谷のナウシカ】に65点という厳しい点数をつけています。

そのため映画公開当時まだ連載中だった原作漫画では、映画とは違う形の言い伝えとラストシーンを模索することになったのです。

「青き衣」のもうひとつの意味を考察

原作漫画での「青き衣」伝説は、風の谷ではなく土鬼(ドルク)の土着宗教に伝わるものでした。

「青き衣の者」は清浄の地へ導いてくれる救いの存在として信じられていたのです。

しかしその宗教は神聖皇帝によって邪教とされ、厳しい弾圧を受けることに…。

だから漫画ではナウシカが皇帝から狙われていたんだね。

それならやっぱり、伝説通りナウシカという救世主が現れて明るい未来が開ける結末なのでは…と思いますよね。

しかし実際は真逆で、ナウシカは生命の尊厳を守るため「清浄の地」がくるかもしれない未来を破壊してしまいます。

具体的には、星の浄化システムである腐海、腐海を守る王蟲、清浄の地で生きるため眠っている新人類、それらを作ったのは旧人類の高度な技術でした。

ナウシカたちもまた旧人類によってこの世界に適応するよう作られ、浄化後のきれいな世界では生きられないことを知ります。

「清浄の地」へ導くんじゃなくて、逆に破壊したのが漫画版ナウシカだよ。

トルメキアの王がそんなナウシカに対して言ったのが「破壊と慈悲の混沌」。

宗教画に描かれるような聖人や、神がかりなわざで人々を救う導き手ではなく、ナウシカはあくまで人間だという答えなのだと思います。

つまり映画で成就された「青き衣」の予言は原作漫画で否定され、ナウシカというひとりの少女に回帰したのではないでしょうか。

言い伝えに登場する鳥や杖を持った人物を考察

「青き衣」の人物は長い髪とひげを生やした男性で、鳥が肩にとまり杖を持っている姿が印象的。

しかし、ナウシカは鳥ではなくテトを肩に乗せ杖は持っていません。

なんでだろ??

それは、言い伝えでは外見や性別が語られていないからでしょう。

また、言い伝えの人物はまるで世界を救う救世主のように思いますが実際は違うのではないかと思います。

鳥や杖を持つ意味とは?

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出典元:スタジオジブリ(作品静止画)

映画版の言い伝えでは、「青き衣」の人物がどんな人物なのか語られていません。

しかし、漫画版では「木々を愛で虫と語り風をまねく鳥の人」と説明しています。

自然を愛する人ってことかな?

共通しているのは、先ほどご紹介したナウシカのモチーフやそのイメージではないでしょうか。

鳥の人、青き衣、金色の野、清浄の地、そういったキーワードを連想させる人物像があの姿だといえます。

鳥や杖はそのイメージを補う一部分だといえるでしょう。

鳥のイメージはメーヴェかな♪

言い伝えの人物は救世主ではない

原作漫画では「青き衣」の人物についていくつかヒントが散りばめられています。

その中でも、森の人であるセルムは青き人は救ってくれない、ただ道を指し示すだけだと物語の後半で語っているんです。

セルムたち森の人は、滅んだとされるエフタル王国の末裔だよ。

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そして、大海嘯という滅びのさなかに森へ導いたのが「青き衣」の者だったそう。

たしかにナウシカは風の谷を守り、旧人類の計画を破壊しましたが世界を救うことはできません。

汚染された環境の浄化を早めたり、石化の病を治したり、貧困や飢餓を帳消しにしたりすることもできません。

その後の世界は相変わらず荒れ果てているでしょうし、人間の愚かさは変わらないでしょう。

根本的には何も解決していないように見えるよね。

しかし、森の人を導いたように生きる道を指し示すことはできます。

「青き衣」の者は神がかった救世主ではありませんが、「どう生きるか」を人々に示すことができる人なのでしょう。

少なくともクシャナやチククはナウシカの影響を受け、戦争のない国を築いたかもしれませんよね。

もちろん人間である限り愚かな歴史を繰り返すものですが、ナウシカ的存在(青き衣の者)がある時代に現れることで、人類の歩みを一歩ずつ進めているのではと思いました!

まとめ

【風の谷のナウシカ】に登場する「青き衣」の意味、鳥や杖の言い伝えについて考察しました!

まとめ
  • 「青き衣」の意味は?
    →映画ではナウシカの存在を予言した言葉。言い伝えの内容そのものがナウシカのイメージ。
  • 鳥や杖、言い伝えの人物について考察
    →言い伝えには鳥や杖のことは語られていない。「青き衣」の者は救世主ではなく、生きる道を指し示す人。

宮崎駿監督は映画のラストに納得いかなくて、漫画で完結させるためにかなり苦労したみたい。

漫画版【風の谷のナウシカ】はとても考えさせられる内容になっているので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

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